「EV時代、ロードサービスはなくなる?」現場の社長が語る、EV普及で変わる仕事内容と未経験者が備えるべきスキル

自動車業界は現在、「100年に一度の変革期」の真っ只中にあります。
ニュースで自動運転やEV(電気自動車)の進化が報じられるたびに、ロードサービスにはどのような影響があるのか疑問に思う方もいるかもしれません。
ロードサービス業界への転職を考えている方の中には、「将来、技術が進歩したらロードサービスの仕事はなくなってしまうのではないか」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか?
「車が賢くなれば、トラブルも減るはず」
編集部もこのように仮説を立てましたが、実際どうなのでしょうか。
現場の最前線に立つロードサービス会社の経営者に話を聞くと、全く異なる予測が返ってきました。
本記事では、現場の生の声と最新の業界動向を参考にしながら、これからのロードサービスの姿を考えていきます。
- 自動運転や安全装置の普及で事故自体は減る傾向にあるが、車両故障や相談の内容はより複雑化している
- EV特有のトラブル(電欠、システムエラー等)への対応需要は急速に高まっている
- 技術の転換期である今こそ、新しい知識を吸収する隊員の市場価値が最大化する
- ロードサービスは「仕事がなくなる」のではなく、「より高度で専門的なプロの仕事」へと進化している
100年に一度の変革期。EV化でロードサービスの仕事は「消える」のか?
結論から言うと、EVや自動運転が普及したとしても、ロードサービスの仕事が「消える」ことはありません。
たしかに、自動ブレーキなどの先進安全自動車(ASV)技術の普及により、交通事故の件数自体は減少傾向にあります。
しかし、それは仕事の「一部」が減るだけであり、ロードサービスの役割そのものが不要になるわけではないのです。
現代の自動車は、ガソリン車であってもEVであっても、高度な電子制御で動く「走る精密機械」へと進化しています。
構造が複雑になればなるほど、ユーザー自身での解決は難しくなっており、専門知識と技術を持つ人の助力が必要な場面が増えてきました。
たとえば、昔ならドライバーが自分で交換できたような部品も、今は専用のコンピューター診断機(スキャンツール)がなければ原因すら特定できないケースが珍しくありません。
さらに、どれだけ技術が進歩しても、タイヤのパンク、バッテリー上がり(EVの場合は補機バッテリーの上がり)、キー閉じ込み、脱輪といった物理的なトラブルをゼロにすることは不可能です。
車が物理的な存在として道路を走る限り、そこには必ず予期せぬトラブルが付きまといます。
「仕事がなくなる」と心配する必要はありません。
現場の社長が断言。「故障の相談」はむしろ増えていく
24ROADの加盟店で、日々現場を指揮する経営者は次のように断言します。
「たしかに事故による大きな牽引作業は減るかもしれません。しかし、EVならではの故障や相談はむしろ増えており、今後ロードサービスへの出動要請が減ることは考えにくいです。むしろ、多様な事例に対応しなければならないため、これからはもっと忙しくなるでしょう」
この言葉が意味するのは、ロードサービスの主戦場が「事故による牽引」から「システム故障の救済」へとシフトしつつあるということです。
特にEV特有のトラブルとしては、以下のようなものが挙げられます。
まず代表的なのが「電欠(バッテリー切れ)」です。
ガソリン車であれば携行缶で燃料を届ければ済みますが、EVの場合はその場で充電するか、充電スタンドまで車両を安全に搬送しなければなりません。
また、EVは巨大なバッテリーを積んでいるため、同格のガソリン車と比べて非常に重く、搬送時のバランス取りや使用するレッカー車の選定にも専門的な判断が求められます。
さらに、高電圧システムのエラーやソフトウェアの不具合による「原因不明の走行不能」も増えています。
こうしたケースでは、むやみに触ると感電の危険があるため、正しい知識を持ったプロフェッショナルが現場に駆けつけ、安全を確保した上でメーカーの指示を仰ぎながら対応する必要があります。
つまり、現場の隊員にはこれまで以上に「考える力」と「専門知識」が求められているのです。
一方で、以前のような力仕事の場面が減っており、女性にも広く活躍の場が認められるようになりました。
「女性歓迎」を謳っているロードサービス会社はますます増えるでしょう。
なぜ今がチャンスなのか。転換期に学ぶ隊員が手にする「一生モノの価値」
「高度な知識が必要なら、未経験から始めるのは難しいのではないか」と感じるかもしれません。
しかし、実は今この「転換期」こそが、未経験者にとって最大のチャンスなのです。
なぜなら、EV特有のトラブル対応は、業界全体にとってもまだ新しい領域であり、ベテラン隊員であっても日々学びながら現場に向かっている状態だからです。
これから数十年、日本の道路にはガソリン車、ハイブリッド車、そしてEVが混在して走り続けます。
今の時期にロードサービス業界に入り、多種多様な車両のトラブル事例を現場で経験しておくことは、将来に向けた計り知れない財産になります。
ガソリン車とEV、両方の特性を理解し、適切に扱えるスキルは、どこに行っても通用する「一生モノの食いっぱぐれない技術」となるでしょう。
大切なのは、最初から完璧な知識を持っていることではありません。
「新しい事例を学び続ける姿勢」と「変化を面白がる心」です。
技術が進化する分、学習の機会は豊富にあります。
前向きに学ぶ意欲さえあれば、未経験からでも十分にトッププレイヤーを目指すことができる、非常にエキサイティングな時代を迎えていると言えますね。
未経験者が注目すべき「将来性のある会社」の選び方
ここまで見てきたように、EVなど新しい自動車が普及していく時代にロードサービス業界に転職するなら、会社選びの基準も新たな時代に対応するべく少し見方を変えてみてはいかがでしょうか。
単に「給料がいい」「家から近い」というだけでなく、将来に向けた「教育と投資」をしっかりと行っている会社を選ぶのです。
求人を見るときは、以下のポイントをチェックしてみてください。
チェックポイント①新しい機材への投資
EVの搬送に対応するための専用機材や、絶縁工具、コンピューター診断機などを積極的に導入している会社は、時代の変化にしっかりと適応しようとしています。
チェックポイント②技術研修や資格取得への支援
EVの整備や取り扱いには「電気自動車等の整備の業務に係る特別教育」などの資格が必要になる場合があります。
こうした資格取得の費用を会社が負担してくれたり、メーカー主催の研修に積極的に参加させてくれる環境があるかは非常に重要です。
チェックポイント③新しい事例を共有し合う文化があるかどうか
最後は社内文化です。
現場で出会った珍しいトラブル事例を、社内で共有し、全員で知識を高め合おうとする社風の会社であれば、未経験からでも安心して成長することができます。
求人情報を見るだけで判断するのは少し難しいかもしれませんが、思い切って聞いてみましょう。
面接の際に、「EVの対応に向けて、どのような研修を行っていますか?」と質問してみるのも良いでしょう。
まとめ
「EVが普及したら仕事がなくなる」というのは、完全な誤解です。
また、EVの普及についても、世界の情勢により大きく進み方は変わりそうです。
現場の経営者が語る通り、ロードサービスは今後、より複雑化するトラブルからユーザーを救う「高度な専門職」へと進化していきます。
そして、さまざまな事例が飛び交う今の転換期は、未経験からプロフェッショナルへと成長するための最高のチャンスです。
変化を恐れるのではなく、自らの市場価値を高める好機と捉えてみませんか?
新しい技術に触れ、困っている人を助けるこの仕事は、これからもっと面白く、やりがいのあるものになっていくはずです。
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