ロードサービス業界への転職を考える際、「自動運転が普及したら、レッカーの仕事はなくなるのではないか」と不安に感じる方は多いかもしれません。

確かにニュースでは、AIによる自動運転技術の進化が連日報じられています。

しかし結論からお伝えすると、ロードサービスの仕事が消滅することはなく、むしろ新しい専門職として進化していきます。

この記事では、自動運転が普及する2035年を見据え、現場で求められ続けるスキルと業界の将来性について解説します。

                           

1. 本記事のポイント

  • 自動運転の普及で衝突事故は減るが、機械的なトラブルはゼロにならない
  • パンクや雪道でのスタックなど、物理的な救済はAIには不可能である
  • EV化やシステムエラー対応など、より専門的な技術職へと進化していく
  • 現場でドライバーの不安を取り除く「人のケア」はAIに代替できない

2. 自動運転時代も「車のトラブル」はなくならない

政府は、地域限定の無人自動運転「移動サービス」を中心に、2025年度目途で複数地点への社会実装拡大を目標としています。

政府の計画では、2025年を目途に特定の条件下における完全自動運転(レベル4)の実現が目指されており、2035年に向けて普及がさらに進むと予測されています。

たとえば「地域限定型の無人自動運転移動サービス」を25年度目途50か所程度、27年度までに100か所以上で実現させることを目標としています。

引用元:経済産業省「自動運転の実現に向けた取組」 

 

これはつまり「どこでも誰でも完全自動運転のレベル4」を実現するということではなく、限定エリアで、特定の移動サービスのみの話です。

ですから、一般車が自動運転になる世界が完全に実現するわけではありません。

 

しばらくの間は、これまでの人が運転する車と自動運転車が混ざる状況が続くでしょう。

つまり、ロードサービスはどちらにも対応できなければならない時代に突入したと考えるべきです。

 

また、自動運転・ADASの普及により、特に追突など一部の事故は減ることが期待されています。

交通事故の多くは人間の判断ミスや見落としが原因であるためです。

 

しかし、車が物理的な部品で構成された機械である以上、経年劣化や突発的な故障を完全に防ぐことはできません。

事故対応の件数が減ったとしても、機械トラブルによる救援要請がゼロになることはないといえます。

 

3. AIには解決できない「物理的な立ち往生」

たとえば、記録的な大雪で車がスタックしてしまった場合や、道路上の落下物を踏んでタイヤがバーストしてしまった場面を想像してみてください。

クラウド上のAIがどれほど優秀でも、現場に駆けつけてスコップで雪をかき出したり、ジャッキアップしてスペアタイヤに交換したりすることは不可能です。

JAFのデータを見ても、救援依頼の上位は常に「バッテリー上がり」や「タイヤのパンク」といった物理的なトラブルが占めています。

引用元:JAF「2023年度 ロードサービス救援依頼内容」 

 

どのような時代になっても、車が物理的に道路を走る限り、現場で直接手を動かしてトラブルを解決する専門スタッフの存在は不可欠です。

AIが進化しても、最終的にドライバーの移動の自由を支えるのは人間の技術だといえるでしょう。

 

4. EV化とシステムエラーがもたらす新たな需要

これからのロードサービスは、単に車を牽引するだけの仕事から、より高度なトータルサポートへと役割を広げていきます。

電気自動車(EV)が主流になれば電欠への対応が日常的になり、高電圧バッテリーを安全に扱うための特別な知識が現場で求められます。

また、自動運転車がセンサーの不具合で緊急停止した際には、システムを安全にシャットダウンしてから搬送する技術が必要になるケースも増えるはずです。

 

ガソリン車のガス欠と違い、EVの電欠は現場での急速充電が難しいため、充電スポットまでレッカー搬送するケースが増加することも考えられます。

 

仕事そのものがなくなるのではなく、より高い専門性が求められる「技術職」として価値が高まっていくのが今後の業界で予想される姿です。

これまでに培われてきた吊り上げや固縛の技術に加えて、最新のITリテラシーを身につけることが、これからのロードサービス隊員には求められます。

 

5. 現場での「人のケア」はAIに代替できない

トラブルに遭い、見知らぬ土地で立ち往生してしまったドライバーの不安な気持ちに寄り添うことも、ロードサービスの極めて重要な役割です。

現場にいち早く到着し、「もう大丈夫ですよ」と声をかけて安心感を提供することは、冷たい機械やAIには決して真似できない領域です。

私たちが提供しているのは、単なる車両の移動作業だけではありません。

 

非常時の安全を確保し、ドライバーの心のケアを行うという代替不可能な価値を生み出しています。

お客様の「困った」を解決し、直接感謝の言葉をいただけるこの仕事のやりがいは、未来になっても色褪せることはありません。

 

6. まとめ:変化を味方につけるキャリア選びを

自動運転が普及する未来において、ロードサービスの仕事は消えるどころか、より高度な知識と技術を持つ社会インフラとして重要性を増していきます。

変化を恐れるのではなく、新しい車両技術に対応できるスキルを身につけることで、将来にわたって安定して求められる人材になることができます。

これから業界へ飛び込む方は、未来を見据えた研修体制が整っており、最新の技術を学べる環境がある会社を選ぶことが成功のポイントです。

 

将来のEV化や自動運転を見据え、しっかりとした教育体制を整えている企業を探してみましょう。