「女性の方なんですね!安心しました」

深夜の高速道路でパンクした女性ドライバーが、レッカー車から降りてきた20代の女性隊員を見て、ホッとした表情でそう言いました。

見知らぬ男性と深夜に二人きり。

その不安が、同性の隊員がいることで消える。

これ、決して珍しいケースじゃありません。

実際、神戸のあるレッカー会社では子育てママさんも多く、末っ子が1歳のときに入社した女性が、今では子供が小学6年生になるまで続けています。

引用元:あかつきレッカー「採用情報」

レッカー業界に、静かに変化が起きているんです。

1. なぜ今、女性がロードサービスを選ぶのか

「力仕事だから無理」

「深夜勤務があるから女性には向かない」

そう思っていませんか?

でも、実際に働いている女性たちは違う理由でこの仕事を選んでいます。

以前書いた「『レッカーは男の仕事』という思い込み。

女性ロードサービス隊員が増えている理由」でも触れましたが、女性が選ぶ理由は明確です。

理由は3つあります。

人の役に立つ実感が毎日ある。

女性だからこそ安心される場面がある。

そして、給与が思ったより良い。

月給25万円から65万円という求人も実際に出ています。

引用元:同上

2. 女性が辞める本当の理由

でも、女性を採用しても長続きしない会社もあります。

なぜか。

理由は「現場環境」です。

設備の問題だけじゃありません。

もっと根深い、組織文化の問題なんです。

実際に辞めた女性隊員に話を聞くと、こんな声が返ってきました。

「トイレが男女共用で、清掃も行き届いてなかった」

「更衣室がなくて、ロッカーで着替えていた」

「生理休暇を申請したら、嫌な顔をされた」

「『女だから力がない』と決めつけられた」

これ、設備の問題もありますが、最後の一つは完全に意識の問題です。

3. 活躍しやすい環境を作る5つのポイント

では、どうすれば女性が活躍できる現場になるのか。

5つのポイントをご紹介します。

ポイント①:女性専用スペースの確保

最低限、これだけは必要です。

女性専用トイレ。

清潔で、鍵がかかる。

当たり前のようですが、できていない会社が多い。

女性専用更衣室。

ロッカーの陰で着替えるのではなく、きちんと個室。

休憩スペース。

男性隊員と別の空間で、リラックスできる場所。

「そんなスペースない」という会社もあるでしょう。

でも、コンテナ一つ設置するだけで解決できます。

実際、そうしている会社もあります。

 

ポイント②:柔軟なシフト制度

子育て中の女性が活躍している会社には、共通点があります。柔軟なシフト制度です。

「子供が熱を出したから休みたい」。そう言える雰囲気。これが何より大事です。

神戸のレッカー会社では、「皆で助け合いながら頑張っています」とあります。お互い様の精神が根付いているんです。

引用元:あかつきレッカー(同上)

深夜勤務も、強制ではなく選択制にする。

日勤メインと夜勤メインを選べるようにする。

これは「ロードサービス求人で『応募ゼロ』から脱却する」で書いた、すべての隊員に有効な方法です。

 

ポイント③:力仕事の補助機器

「女性には力仕事は無理」。

これ、半分正解で半分間違いです。

確かに、昔は力任せの作業が多かった。

でも今は違います。

ウインチ、クレーン、電動工具。

機械が力を出してくれます。

女性がやるべきことは、その機械を正確に操作すること。

力より、正確さが大事な仕事です。

ある女性隊員は言います。

「最初は不安だったけど、3ヶ月の研修でちゃんとできるようになった。

力より、正確さが大事だと分かった」

 

ポイント④:ハラスメント防止の徹底

これが最も重要かもしれません。

「女だから」という言葉を使わない。

能力で評価する。

当たり前のことですが、できていない会社が多い。

ハラスメント研修を定期的に実施する。

男性隊員に、女性と働くということを理解してもらう。

そして、相談窓口を設ける。

何かあったときに、すぐに相談できる体制。

これがあるだけで、女性は安心して働けます。

「隊員のSNS投稿はリスクかチャンスか?

炎上を防ぐ安全投稿のガイドライン」で書いたSNS運用も、女性隊員の活躍をアピールする良い機会になります。

ただし、本人の同意を必ず得ることが前提です。

 

ポイント⑤:キャリアパスの明示

女性だから現場止まり、ではありません。

管理職への昇進、営業所長、教育担当。

女性がキャリアアップできる道を示す。

実際に女性管理職がいれば、それを見せる。

ロールモデルがいることが、何より重要です。

4. 女性隊員がいることで変わる3つのこと

女性隊員を採用すると、会社全体が変わります。

良い方向に。

 

変化①:職場の雰囲気が柔らかくなる

男性だけの職場は、どうしても荒っぽくなりがちです。

言葉遣い、態度、清潔感。

女性がいることで、自然と気を遣うようになる。

結果、職場全体の雰囲気が良くなります。

 

変化②:顧客満足度が上がる

女性ドライバーからの依頼。

高齢者からの依頼。

女性隊員が対応することで、安心感が違います。

電話対応の丁寧さも、顧客満足度につながります。

ある女性隊員は、「お客様の気持ちに寄り添った対応を心掛けています」と語っています。

引用元:同上

 

変化③:採用力が上がる

女性隊員がいる会社は、男性の応募者も増えます。

なぜなら、「女性も働きやすい=誰でも働きやすい」と見なされるからです。

ワークライフバランスが取れる会社。

ハラスメントがない会社。

そういうイメージが、採用力につながります。

5. 実際の導入事例

東京のあるレッカー会社では、5年前に初めて女性隊員を採用しました。

最初は戸惑いもあったそうです。

「女性用トイレをどうするか」

「更衣室をどう作るか」

試行錯誤の連続でした。

でも、コンテナ一つを女性専用スペースにすることで解決。

費用は30万円程度。

そして、女性隊員が入ったことで、男性隊員の意識も変わりました。

「言葉遣いに気をつけるようになった」

「清掃をちゃんとするようになった」

5年経った今、女性隊員は3名に増えました。

全員が3年以上継続しています。

6. まとめ:女性が活躍できる環境は、全員が働きやすい環境

女性隊員が活躍しやすい現場環境を作る5つのポイント:

  1. 女性専用スペースの確保(トイレ、更衣室、休憩室)
  2. 柔軟なシフト制度(子育て中でも働ける)
  3. 力仕事の補助機器(力より正確さが大事)
  4. ハラスメント防止の徹底(「女だから」を使わない)
  5. キャリアパスの明示(女性管理職のロールモデル)

これらは、女性だけでなく、すべての隊員にとって働きやすい環境です。

女性が働きやすい会社は、男性も働きやすい。

そして、顧客満足度も上がり、採用力も上がる。

「レッカーは男の仕事」

そう思い込んでいるなら、今すぐその考えを捨ててください。

女性隊員を採用することは、会社全体を良くする第一歩です。