レッカー屋の仕事、実は事故現場ばかりやないんです
先日から、ありがたいことに24ROADに掲載いただくレッカー会社さんが増えてきました。
それで、いろんな会社の社長さんとお話しする機会がありました。
地域も規模も違う会社の社長さんたちですが、口を揃えて言われることがあります。
「求人を出しても、応募が来ない」
給料が安いわけではありません。
むしろ、いい給料をつけてIndeedなどに出しても、なかなか応募が来ない。
私自身も同じ経験をしてきました。
なんでやろうと考えたとき、行き着いた答えはひとつでした。
この仕事、知られていないんです。
救急車は言えるのに、レッカー車は言えない
救急車は、急病の人を運ぶ車。
消防車は、火事の現場に行く車。
パトカーは、事件や事故の現場に行く車。
誰でも一言で言えますよね。
ではレッカー車は?
「事故のとき……かな?」
たぶん、ほとんどの人がこのくらいのイメージやと思います。
知ってはいる。
でも、どんなときに来て、何をしてくれるのかは、なんとなくしか浮かばない。
事故の現場は、メインやないんです
「レッカーって、ほとんど事故現場でしょ?」とよく言われます。
実際は違います。
私たちの仕事の大半は、バッテリー上がり、故障車の搬送、パンクした車の搬送です。
事故や、道から車輪が落ちてしまった脱輪といった特殊なケースは、むしろ少ないのが現状です。
一番多いのはバッテリー上がり。
「なんや、地味やな」と思われるかもしれません。
ところが、これが侮れないんです。
「たかがバッテリー上がり」が、何百通りもある
過去にこんな依頼がありました。
「別の車からケーブルをつないだけどエンジンがかからない。故障やと思うので運んでほしい」という搬送のご依頼です。
現場に着いて、「一度こちらでつながせてもらえますか」とご提案しました。
つないで、キーを回すと、一発でエンジンがかかりました。
お客様はびっくりです。
「なんでかかったん?」と。
ケーブルの先のクリップで端子をつかむとき、そのつかみ方ひとつにコツがあります。
それ次第で、電流がきれいに流れたり、流れなかったりする。
詳しくは企業秘密ということにしておきますが、プロにしか分からない世界が、こんな小さなところにもあるんです。
別の日には、こんなこともありました。
「コンビニに行って帰ってきたら、エンジンがかからへん」という、典型的なバッテリー上がりのご依頼です。
電圧を測ると確かに低い。
つないでエンジンをかけて、電圧計とにらめっこしていると、みるみる数値が下がっていく。
エンストしそうになります。
「これは発電機側があかんのか?」と勘ぐりました。
でも、アクセルを踏んでみるとエンジン自体は元気そのもの。
おかしいなと思ってよくよく見ると、原因はまさかのバッテリーのマイナス端子。
ゆるゆるに緩んでいました。
締め直して、無事完了です。
同じ「バッテリー上がり」という依頼でも、現場に行けば中身は全部違います。
何十件、何百件と経験しても、まだ新しいケースが出てくる。
二度と同じお客様、二度と同じシチュエーションは、ほぼありません。
それがこの仕事の醍醐味やと、私は思っています。
まずは、知ってほしい
ロードサービスの仕事は、知られていないだけです。
この記事で「へえ、そんな仕事なんや」と思ってもらえたら、今回はそれで十分です。
次回は、故障搬送の話でも書こうかなと思っています。