車の故障や事故現場に駆けつけるロードサービスは、感謝される一方で「資格がたくさん要るのでは?」と不安になりがちです。結論から言うと、普通自動車運転免許(以下、普通免許)だけで応募できるケースもあります。とはいえ、担当する業務や会社が保有する車両(サービスカー、積載車、レッカー車など)によって必要な免許・講習が変わるため、転職前に“優先順位”を付けて準備するのが近道です。
もくじ
1. まず知っておきたい:ロードサービスの業務は大きく3タイプ
ロードサービスと一口に言っても、現場の仕事は会社によって比率が違います。
①応急対応型:バッテリー上がり、パンク、キー閉じ込み、燃料切れなど(その場で走れる状態に近づける)
②搬送型:故障車・事故車を積載/けん引して修理工場や保管場所へ運ぶ
③事故・悪天候対応型:落輪、スタック、横転など難易度が高い現場が多い
この「どの比率が高いか」で、必要な免許や評価される経験が変わります。
2. 普通免許だけでできる仕事はある?
すべての現場で大型車両を使うわけではありません。たとえば、ジャンプスタート、タイヤ交換の補助、簡易点検・安全確認、現場での案内や二次被害防止の補助などは、普通車サイズのサービスカーで出動する会社もあります。そのため求人によっては「普通免許で可」「未経験歓迎」と記載されていることがあります。一方で、搬送が主業務の事業所では普通免許のみだと担当範囲が限られ、同乗からスタートするケースもあります。
3. 転職で役立つ資格・免許 取得優先度ランキング
ここでは「現場に出られる幅が広がる」「求人の応募条件に出やすい」という観点で、一般的に優先度が高い順にまとめます(※実際の必須条件は会社・車両・地域で異なります)。
【1位】普通自動車運転免許(AT/MT)
スタートライン。求人ではMT歓迎(または必須)となることがあるため、可能ならMTで持っておくと選択肢が増えます。すでにAT限定の方は、応募前に「限定解除が必要か」「入社後に会社支援があるか」を確認しましょう。
【2位】準中型/中型/大型免許(車両規模に応じて)
積載車やレッカー車など、使用する車両の区分(車両総重量・最大積載量・乗車定員など)によって必要な免許が変わります。ロードサービスで“搬送”を担う比率が高いほど、上位区分の免許が評価されやすい傾向があります。まずは志望先が使う車両の種類(積載車中心か、レッカー中心か)を聞き、必要な区分から逆算して取得計画を立てるのが現実的です。
【3位】けん引免許(必要になる職場なら最優先)
けん引作業の有無・頻度は事業所によって差があります。けん引を日常的に行う職場では、応募条件になっていたり、早期取得を求められたりすることがあります。搬送の幅が広がり、配車(出動の割り振り)でも戦力として見られやすくなります。
【4位】小型移動式クレーン/玉掛け(装備車両を扱うなら)
ウインチやクレーン装備の車両を用いて引き上げ・積み込みを行う現場では、作業方法によって関連講習が必要になることがあります。会社が保有する装備や作業内容に紐づくため、入社後の取得として用意されているか(費用補助・勤務扱いで受講できるか)も含めて確認すると安心です。
【5位】自動車整備士(3級/2級など)
法的に必須とは言い切れませんが、故障原因の切り分けや安全確認の説得力が上がり、現場対応の質に直結します。整備経験者は評価されやすく、工場併設の事業所や「応急対応+軽整備」の比率が高い職場を狙うなら有効です。
【6位】その他(会社の業務領域で差が出るもの)
例として、保険関連の手続き補助、運行・安全管理、危険物対応などは会社の業態によって必要性が変わります。「あったら有利」ではなく「その会社で使うか」を基準に選びましょう。
4. 資格より先に整えると強い“経験・スキル”
ロードサービスは夜間・悪天候・交通量の多い場所など、環境が厳しい場面もあります。安全第一で動ける判断力、落ち着いた接客(不安な利用者への声かけ)、無線やアプリでの報連相、チーム作業の経験は評価されやすいポイントです。職務経歴書では「安全配慮」「顧客対応」「時間制約の中での判断」を具体例で書くと伝わります。
5. 失敗しない資格の集め方(最短ルート)
ポイントは“先に求人を絞ってから取る”ことです。
①志望先がどんな車両で、②搬送が中心か応急対応が中心か、③資格取得支援(費用補助・講習参加の扱い)があるか。この3点を面接で確認し、必要な免許だけを優先して取りに行けば、ムダな出費や遠回りを減らせます。
6. まとめ:普通免許だけでも入口はある。伸びしろは追加免許で決まる
普通免許のみで応募できるケースはあります。ただ、仕事の幅・収入・将来の選択肢を広げたいなら、車両区分に合った免許(準中型~大型)と、必要に応じてけん引や作業系講習を積み上げるのが王道です。まずは「応急対応型か、搬送型か、難現場対応型か」を決め、志望先の車両と支援制度を確認したうえで、最短ルートで資格を揃えていきましょう。