「レッカー(けん引・搬送)って、1回出動したらいくら入るの?」

―結論から言うと、“1回いくら”は契約形態で大きく変わり、全国一律の公表相場はありません。

そこで本記事では、公開情報(公式募集要項・求人票・料金表)に書かれている数字だけを使い、完全歩合制の「見積もり方」を整理します。

                           

1. まず確認:完全歩合でも「支払い方」は3タイプ

完全歩合制といっても、実は支払い方法は会社によってバラバラです。そして、この違いを理解していないと、冒頭の知人のように「話が違う」となります。

タイプ1:1件固定(出動手当・作業単価)

出動した回数や作業内容に応じて○円が決まっている形。わかりやすいのが最大のメリットです。

公開されている求人例を見ると、奈良県のレッカー関連求人では出動手当が1回500円~3,500円(時間帯・内容で変動)。
引用元:
higuchiwrecker.recruitsite.net

別の例では、バッテリー上がり救援の業務委託募集で「完全歩合:1件あたり5,000~15,000円」という記載もあります。
引用元:
ジモティー北海道版

このタイプは「1件○円」とシンプル。要するに、どれだけ苦労しても1円も上乗せされないということです。
深夜に高速道路で2時間かかる作業をしても、近所のバッテリー上がりを30分で終わらせても、同じ3,500円。
ここに不満を持つドライバーは多いのです。

タイプ2:売上連動(売上×歩合率)

会社(または元請)に入った売上の何%を報酬にする方式。「頑張った分だけ稼げる」と聞こえはいいですが、落とし穴があります。

公開求人の例だと、「売上の約22%を歩合給として支給(1件あたり上限3万円)」

別の採用ページでは「売上の2%~10%」
引用元:〖千葉県流山市〗有限会社吉喜レッカーのサイト 

この差、何だと思いますか?

22%と聞くと魅力的ですが、実は「売上」の定義が曖昧なんです。お客さんが払った金額なのか、保険会社が支払った金額なのか。燃料代や高速代を引いた後の金額なのか。ここを曖昧にしたまま契約すると、「思ってたより全然入らない」となります。

実際、弊社に転職してきた社員の一人が前職でこのパターンにハマりました。「売上の20%」と聞いて入社したら、経費を全部引いた後の金額で計算されていて、手取りは期待の半分以下。3ヶ月で辞めたそうです。

 

タイプ3:混合(最低保証+歩合、技能報酬など)

「固定給+出動歩合」「夜間だけ歩合」「資格で加算」といった組み合わせです。

完全歩合を名乗っていても、実際は”別建て手当”が混ざるケースがあります。たとえば「基本給15万円+出動1件につき3,000円」のような形。一見すると安定していますが、基本給が低く設定されていると、結局は出動件数に収入が左右されます。

 

2. レッカー案件の「売上単価」は何で決まる?

歩合を計算するには、まず”その案件の売上(請求額)”を把握する必要があります。

一般的に、レッカー料金は以下の要素で構成されます。

  • 基本料(出動・作業料)
  • けん引距離料(1kmあたり○円)
  • 追加作業料(落輪、スタック、高速作業など)
  • 時間帯割増(夜間・早朝)

JAFの料金表(非会員・一般道)では、基本料が昼15,700円/夜19,630円、けん引料は1kmごとに830円と示されています。
引用元:JAF(日本自動車連盟)

 

民間事業者の料金例でも、出動料金15,000円+けん引距離720円/km(時間帯で変動)といった形が一般的です。
引用元:advance-arc.com

 

また、任意保険のロードサービスは「1事故につき15万円限度」などの上限を掲げている商品があります。目安として、15万円で普通乗用車なら約180km相当と説明する保険会社もあります。
引用元:SOMPO ロードアシスタント特約

 

つまり、同じ”レッカー1回”でも、短距離搬送なのか長距離なのか、特殊作業があるのかで売上が大きく変わるのです。

 

3. では「1回いくら貰える?」を現実的に計算してみる

ここからは“計算例”です(実際の単価は契約書・単価表で必ず確認してください)。

例)案件売上が3万円だった場合

  • 歩合2%なら 600円
  • 歩合10%なら 3,000円
  • 歩合22%なら 6,600円
    (※上限設定がある会社も)
    有限会社エース 採用サイト+1

例)案件売上が5万円だった場合

  • 歩合2%なら 1,000円
  • 歩合10%なら 5,000円
  • 歩合22%なら 11,000円(同上)

このように「売上×歩合率」で見れば、同じレッカーでも“数百円~1万円台”まで幅が出ます。

逆に言うと、歩合率だけでなく

「平均売上がいくらの案件が来るのか」

「夜間・高速・特殊作業の比率はどうか」

が収入の差になります。

4. 公開情報ベースの“単価レンジ”まとめ

公開されている求人情報や料金表をまとめると、以下のような単価レンジが見えてきます:

売上連動の例:売上の2%~10%/売上の約22%(上限あり)など、会社ごとに差
引用元:有限会社エース 採用サイト〖千葉県流山市〗有限会社吉喜レッカーのサイト

 

5. 契約前に必ず聞くべき5つ(ここを曖昧にすると失敗します)

  1. 単価表(作業別・時間帯別・距離別)はあるか
  2. 歩合率は固定か、時間帯や車種で変わるか
  3. 会社負担/自己負担(燃料・高速代・消耗品・車両リース・保険・通信費)
  4. キャンセル・空振りの扱い(最低保証の有無)
  5. 月の支払サイト(締め日/支払日)

“1回いくら”の答えは、単価表と控除項目まで見て初めて確定します。

焦って口約束で始めず、数字で見える形にしてから参入するのが、完全歩合で損をしないコツです。