皆さん、今日もお疲れ様です。深夜の呼び出しに備えて、枕元にスマホを置いてこのブログを読んでくださっている方も多いのではないでしょうか。

2026年、ついに本格的な「勤務間インターバル11時間」の波がやってきました。正直に言います。最初にこの話を聞いた時、私は「役人は現場を何もわかっちゃいない」と吐き捨てたくなりました。24時間365日、道端で困っている人を助けるのが俺たちの誇りなのに、「11時間休め」なんて、商売を畳めと言われているようなものですから。

でも、立ち止まって考えると、もう根性論だけで乗り切れる時代じゃないのも事実です。今日は、この厄介な法改正をどう「自社の武器」に変えていくか、本音で語り合いたいと思います。

1. そもそも「11時間インターバル」って何だ?

簡単に言えば、「仕事が終わってから次の仕事が始まるまで、11時間は自分の時間を確保してね」というルールです。

例えば、深夜2時に大雨の中、横転した車の引き上げ作業を終えてヘトヘトで帰ってきたとします。そこから11時間。つまり、翌日の午後1時までは、その隊員を現場に出しちゃいけない。これが「勤務間インターバル」の正体です。

「寝る時間だけあれば十分だろ」と思うかもしれません。でも、通勤に1時間、風呂に入って飯を食うのに1時間。さらに家族との会話や趣味といった人間らしい生活を考えれば、11時間なんてあっという間です。

引用元: 「勤務間インターバル制度を導入しましょう」(厚生労働省 働き方改革特設サイト)

2. 理想と現実の「泥沼」で。

ロードサービスの現場は、映画のようにカッコいいことばかりじゃありません。 真冬の峠道で震えながら作業し、ようやく帰着した隊員の顔を見てください。クマができて、手はかじかみ、集中力は底をついています。

そんな状態で、朝8時に「また出動だ」と背中を叩く。これがどれほど恐ろしいことか。 居眠り運転で積載車をぶつけたり、現場でワイヤーの固定を甘くして事故を起こしたり……。その瞬間に、積み上げてきた会社の信頼も、隊員の人生も、社長であるあなたの資産も、すべてが吹き飛びます。

この制度は、単なるお役所仕事ではなく、「会社を守るための最後の防衛線」だと私は思うのです。

3. 「現場が回る」シフト、どう組む?

とはいえ、人が足りないのは百も承知です。私がこれまで全国の経営者と話してきた中で見えてきた、現実的な「落とし所」をご紹介します。

 

① 「魔の空白」を埋める3交代モデル

朝、昼、夜。3つのチームを作るのが理想ですが、そうもいかないのが中小企業の辛いところ。 ポイントは「オーバーラップ(重なり)」です。 13時から16時という、一番事故やトラブルの電話が鳴り止まない時間帯に、早番と遅番を両方配置します。「忙しい時間帯は全員野球、でも夜はしっかり休ませる」。このメリハリが、11時間を守るコツです。

 

② 「断る勇気」が会社を救う

「せっかくの依頼を断るなんて、アシスタンス会社に顔向けできない」。その気持ち、痛いほどわかります。 でも、2026年の今、無理をして事故を起こすリスクは、1件の依頼を断る損失より遥かに大きい。 「夜間は提携先に任せる」「自社は昼間の難易度の高い案件で稼ぐ」。そんな「戦略的撤退」が、結果として利益率を高めることもあります。

4. 隠れたコストと「単価交渉」

厚生労働省のデータでも、しっかり休む企業ほど「生産性が上がった」という結果が出ています。

引用元: 「令和5年版 過労死等防止対策白書」(厚生労働省)

でも、そのためには「人」を増やし、「システム」を入れなきゃいけない。 今、私たちは保険会社やアシスタンス会社に、はっきり言うべき時です。「法改正を守り、安全に車を運ぶには、これだけのコストがかかる。今の単価では、隊員の命は守れない」と。

5. 最後に:あなたも休んでいますか?

一番心配なのは、隊員を休ませるために、社長がずっと現場に出続けているケースです。社長が倒れたら、その会社は終わりです。

2026年は、レッカー屋が「便利屋」から「プロフェッショナルなレスキュー業」へと脱皮する年です。 11時間の休息は、サボりではありません。「次の現場で完璧な仕事をするための準備」です。

まずは今夜、あなたの会社の「昨日の帰着時間」と「今日の始業時間」を照らし合わせてみてください。そこにある「短すぎる時間」に気づくことが、新しい経営の第一歩になります。